鬼遊びの歌

坊（ぼん）さん（※５）



坊さん　坊さん　どこゆくの
わたしの　たんぼへ　稲刈（いねか）りに
それなら　私も　つれやんせ
お前を　つれると　じゃまになる
なんだ　この寺の　くそ坊主
うしろの　正面　あててみろ



（注）	つれやんせ＝連れていってください


（注）いわゆる「かごめ」遊びと同じ形式のもの。

まいまいこんこ



まわりまわって
まいまいこんこ　しましょ
うしろのめっさん　だぁーれ
「○○ちゃん」
もういっぺんまぁーわろ



（注）	まいまいこんこ＝ぐるぐるまわること （まいまい＝車の幼児語）
	めっさん＝メシさん。少女のこと。
	いっぺん＝一度


（注）いわゆる「かごめ」遊びと同じ形式のもの。

小坊（こぼん）さん（※４）



なあかの　なあかの　小坊さん
何で　背が　低いの
親の日に　どじょう喰うて
そんで背が　低いの
小石三升　米三升
合わせて六升　引きよせて
後の正面　だあれ



（注）

そんで＝それで


（注）いわゆる「かごめ」遊びと同じ形式のもの。

つぼどん



つぼどん　つぼどん　つぼどん
お彼岸（ひがん）参りを　しょうまいか
カラスという　黒鳥が
足もつっつく　手もつつく
それで　よう参らんさかいに
先、参っとくれ



（注）	つぼどん＝不明
	しょうまいか＝しましょう
	よう＝よく、とても
	さかいに＝から、ので
	参っとくれ＝参ってください。

げたかくし



げたかくし　つーりんぼ
はーしのしーたのこねずみが
ぞーりをくわえて　ちゅっちゅくちゅー
ちゅっちゅくまんじゅは　だれがくた
だぁれもくわへん　わしがくた

ぞうりかくし



ぞーりかーくし　つーりんぼ
はーしのちいさな　こねずみが
ぞーりをくわえて　ちゅんちゅくちゅん
ちゅんちゅくまんじゅは　だれがくた　だれがくた
おもてのかんばん　しゃみせんや　
うらからまわって　さんげんめ

ももくれ（※４）



桃くれ　ももくれ　ももまだ青い
青いのが　好きじゃ
鉄砲で取るか　はさみで取るか
取るなら　取ってみよ

こんこんさん（※１）　（つかまえ鬼）



みんな「こんこんさん　遊（アス）びましょうかいな」
鬼　　　「いま寝てるわいな」
みんな「去（い）んでこ　去んでこ　こんこんさん　遊びましょうかいな」
鬼　　　「いま起きたわいな」
みんな「去んでこ　去んでこ　こんこんさん　遊びましょうかいな」
鬼　　　「いま着物きてるわいな」
みんな「去んでこ　去んでこ　こんこんさん　遊びましょうかいな」
鬼　　　「いま顔あろてるわいな」
みんな「去んでこ　去んでこ　こんこんさん　遊びましょうかいな」
鬼　　　「いまごはん食べてるわいな」
みんな「なんのおかず」
鬼　　　「てんぷらにあぶらげに玉子焼やわいな」
みんな「てんぷら　おっけ」
鬼　　　「はい　はい　はい」
みんな「あぶらげ　おっけ」
鬼　　　「はい　はい　はい」
みんな「玉子焼　おっけ」
鬼　　　「はい　はい　はい　おまん　どこの子」
Ａ　　　「彦根の子」
鬼　　　「おまん　どこの子」
Ｂ　　　「大阪の子」
鬼　　　「おまん　どこの子」
C　　　「京都の子」
鬼　　　「おまん　どこの子」
Ｄ　　　「長浜の子」
みんな「おまん　どこの子」
鬼　　　「ばんばの狐（きつね）」
みんな「ワーァ」



（注）	かいな＝「〜かな」。「〜ですか」の意もある。
	去（い）ぬ＝帰る
	おっけ＝ください
	おまん＝おまえ
	馬場の狐＝新庄馬場の神照寺稲荷の狐


（注）「こんこんさん」とも「けんけんさん」とも。また、地区によって後半の文言に違いがあります。