子守歌
ねんねんころりよ おころりよ
○○ちゃんは よい子だ ねんねしな
ねんねのお守りは どこへいた
あの山こえて 里へいた
里のみやげに 何もろた
でんでん太鼓(だいこ)に 笙(しょう)の笛
ねんねねんねと 寝る子はかわいい
起きてなく子は つら憎い
うちのこの子は 今寝るとこじゃ
だれもやかまし 言うてくれな
だれもやかまし 言わせんけれど
守(も)りがやかまし 言うて起こす
七つ八つから 奉公(ほうこう)に出して
親の権利(けんり)が どこにあろ
死んでしまいたや この世の中は
死んで花実が 咲くものか
死んで花実が 咲くものならば
八百屋お七は なぜ咲かぬ
うちのこの子は ゆんゆら雀
羽をはやして 立つ心
うちのこの子は 今寝るところ
だれもやかまし 言うてくれな
ねんねころ
一泣かすなよ 二太郎
あんじょ守(も)りせよ 三太郎
ねんねんほろほろ ねんほろろ
虹の橋こえ 雲こえて
星の提灯(ちょうちん) とってこよ
守りのういのは 秋冬五月
かどん立つのも 四十九日
ねんねさんせや かいかい言って
明日はこの子の 誕生日
誕生日には 餅(もち)して祝う
餅は何餅 あずき餅
あずき餅には たんと砂糖入れて
のどのおくさん 喜ばそ
この子寝さして お布団(ふとん)着せて
よすみたたいて 針(はり)仕事
守りよ子守りよ 子を泣かすなよ
泣かすまいとの 守りじゃもの
ぼんよ泣くなよ お父さんは江戸に
母は名古屋の お屋敷(やしき)に
この子よい子だ ぼたもち顔や
きな粉つけたら なお良かろ
うちのこの子に やりたい物は
乳とお馬と 赤いべべ
ねんねころ市 竹馬与一
竹にもたれて 寝るがよい
ねんねころりよ おころりよ
坊やよい子だ ねんねしな
里の土産(みやげ)に 何もろた
でんでん太鼓(たいこ)に 笙(しょう)の笛
この子泣くので 三度の飯が
胸につかえて 食べられぬ
(注)
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あんじょ=うまく、上手に
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うい=(憂い)つらい、心苦しい
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さんせ=しなさい
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たんと=たくさん、たっぷり
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ねんね ねやんせ ねる子は可愛(かわ)い
起きて 泣く子は つら憎い
ねんね ねやんせ ねてさぇ くれりゃ
親も らくなし 子もらくな
ねんね ころ市 竹馬 よいち
竹に もたれて ねるがよい
ねんね さんせや かいかい いって
あすは この子の 誕生日(たんじょうび)
ねんね ころ市 泣かすな 二太郎
あんじょ もりせよ 三太郎


(最終更新日 : 1998/01/31)
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