1.はじめに

 この実践は、前任校の長浜市立北中学校で、平成12年度に実施したものです。


 湖北地区では、中学校国語科の教科書は、教育出版のものが使われています。その中に「季節をうたう」と題して、2編の詩が載っています。「春でぇむん」(照屋林賢)と「麗日(オデンキ)」(一戸謙三)です。2編の詩とも、方言で表現されたものです。「春でぇむん」は琉球方言、「麗日」は津軽方言です。最初の生徒の反応は、「おもしろいなあ」「何いってるのか、わからへん」のどちらかに二分されます。
 言葉は、文化です。今日、「21世紀は地方の時代」と言われ、自治から文化までが見直されつつあります。方言という地域に根ざした文化を見直すことは、意義あることと考えています。
 また、生徒たちの生活の中で、地元文化である「長浜弁」は、息絶えつつあり、また、方言に対する偏見も気になるところです。

 前回2年生を担当した際にも、この単元と「言葉の研究室1 方言と共通語」とを結びつけた実践を行いました。当時は、学校がインターネット接続前であったため、活動に制限がありました。Webページを印刷して教室に持ち込んだり、紙に書かせた手紙を教師がメールに打ち直して送ったり、また、最後のまとめレポートも紙に書かせました。

 しかし、今回の実践は、校内のインフラ整備が進み、前回果たせなかった様々な活動の展開が図れます。そのため、地道な地元の方言調べとインターネットの力を借りた全国各地の方言に関するWebページ調べとを組み合わせ、方言の意義や価値に気づかせたいと考えました。
 また、そうした活動を通して、生徒たちのコミュニケーション能力の育成も意図しました。





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Last modified 2001/08/21