滋賀県の方言のあらまし

　「方言の話」のページでも述べましたように、京都は、長い間、日本の都でした。つまり、日本の中心でした。現代の流行が東京から広がっていくように、昔は、様々な流行が京都から地方へと広がっていったのです。
　言葉も同じです。京都を中心に同心円を描いたとき、同じ円周上に似たような言葉（方言）が残っているといいます。しかも、それは京都から遠く離れれば離れるほど、古い時代の言葉なのだそうです。

滋賀県方言区画概図

　滋賀県は、京都の隣の県です。言葉も、京都の影響を大変受けてきました。古典（昔の人の著した文章）を学習していると、私たちが使っている方言がそのまま出てきたりして驚くことがあります。

　しかし、滋賀県は、そのまん中に琵琶湖があり、京都に直接続いている大津を中心とする湖南地方と、遠く離れている長浜を中心とする湖北地方とでは、かなりの違いがあります。
　そして、その南北両端の地方にはさまれた彦根・近江八幡・八日市を中心とする湖東地方と今津を中心とする湖西地方は、その中間地帯とでもいえます。（下図参照）

　また、言葉の影響を受けたのは、何も京都だけに限ったことではありません。当然、地理的に一番近い地域同士が影響し合うものです。
　おおまかに言って、美濃（岐阜）弁の影響が湖北・湖東に見られます。また、若狭（福井）弁の影響が湖西に、伊賀（三重）弁の影響が湖南の甲賀郡に見られます。

　以上が、滋賀県の方言のあらましです。