糸繰りの道具類(1)
殺蛹室(さつようしつ)




殺蛹室(さつようしつ)

殺蛹室(扉を開けたところ)

殺蛹室の中の様子
 生きたマユのまま糸を繰(く)るのが最良ですが、多くのマユを短時間に処理(しょり)できないので、放っておくと羽化(うか:サナギからガになる)してしまいます。そこで、半生乾燥(はんなまかんそう:「むしころし」ともいう)して、低温室で保管(ほかん)します。
 江戸時代そのままの土室で木炭を使って蒸(む)し焼きします。
 マユの乾燥状態(かんそうじょうたい)は、品質に大きく影響(えいきょう)します。そのため、殺蛹の温度や時間は各家の秘伝(ひでん)でした。この工場では、ツバキの葉をマユの上にいっしょに置いて、その葉の乾燥の状態で判断(はんだん)されるとのことでした。

<取材協力>
滋賀県伝統的工芸品指定工場
東浅井郡浅井町 西村さん



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(最終更新日 : 1998/11/01)
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